2019年4月7日 | Leave a comment 保存樹木。 伐採したくないですよね。保存樹木なんだから。 遥か昔からそこにあり、沢山の人達に愛され続けた大きな木。 今回のご依頼は、そんな大きな保存樹木の伐採でした。 (当ブログでは「ほごじゅもく」を保存樹木に変えております。) 東京の某所よりご依頼いただき、この度出張で伐採となりました。伐採期間は搬出含め8日間。結果的には無事に終わり今はすっかり何もありません。 今回の樹はケヤキ。直径83cmと100cmの2本。樹高は15m〜20mぐらいです。 数年前に一度、心止めをされていてそこから細い枝がびっちり萌芽しておりました 枝下ろし中奥のケヤキは枝下ろしが終わっています 区の保存樹木です。 保存樹木。聞こえはいいですが実態はどうでしょうか、大きな木が住宅地のど真ん中にあることは、一体どんな影響があるのでしょうか。 今回伐採に至った理由、それは近隣に対する迷惑や、今後起こりうる災害をや住宅に対する懸案を無くすためでした。 幹の吊るし切り 去年の台風で大きな枯れ枝が落ちました。幸い、人にも車にも当たる事なく道路上へ落下しましたが、これがもし歩行者に当たっていたら…車に当たっていたら…、また毎年秋には大量の葉を落とし、風で飛ばされ近隣に多大な迷惑がかかる、木の根がどんどん広がり、基礎を傷めるのではないか。そんな懸念が山積しピークに達し、今回の伐採の決断に至りました。 残念ですね。歴史のある樹木ですが、残していくことの困難さを思い知りました。 ケヤキは太く大きくなります 保存樹木指定とはなんでしょうか。 歴史的な樹木を守るように所有者に強要することでしょうか、はたまた、区として景観上重要だというアピールにすぎないのでしょうか。保存することを区が指定するなら、毎年の落ち葉はきを区がやってくれるのでしょうか。枯れ枝が落ちて人に当たったら、区がそれを保証してくれるのでしょうか。 いいえ、そんなことはありません。 起こることすべてが、所有者の責任です。 倒れても、枝が落ちても、枯葉が落ちても、根が基礎を持ち上げても、一切が所有者の責任となります。 吊るし切りしたケヤキ玉切らないと微動だにしません 改めて、保存樹木とななんでしょうか。考えてしまいます。 ちなみにこのケヤキは2本共に樹齢150年ほど、住民の方が生まれるずっと前からありました。 伐採の最中も毎日近所の方から惜しむ声が聞かれました。近所だけでなくお施主様の親族の方からも嘆きの声が… 自然を残すこと、保存して守ること、適切に管理すること、自然と共存すること。いろいろと考えさせられる伐採となりました。 なんという狭さ、経験上最狭です。